ウォーレン・バフェットは
何を読んだ?投資と
経営を学ぶおすすめの7冊

当サイトはプロモーションを含んでいます

ウォーレン・バフェットは何を読んだ?投資と経営を学ぶおすすめの7冊紹介記事のアイキャッチ画像

ウォーレン・バフェットは、いったいどんな本を読んできたのでしょうか。

「投資の神様」や「オマハの賢人」と呼ばれる人物だけに、投資に役立つ専門書を数多く読んできたように思うかもしれません。

実際、バフェットの読書には投資に関する重要な本が登場します。一方で、企業経営やビジネスの歴史、起業家の物語、そして長年のパートナーだったチャーリー・マンガーに関係する本まで、その範囲は意外なほど広いものです。
ウォーレン・バフェットの投資哲学を本で学びたいと思っても、関連する書籍は多く、どれから読めばよいのか迷う人もいるのではないでしょうか。

投資の基本を学べる本もあれば、企業分析を深く掘り下げる専門書、経営者の経験からビジネスを考える本もあります。また、バフェット本人が推薦した本と、投資思想を理解するために参考になる本は、必ずしも同じではありません。

当記事では、ウォーレン・バフェットに関係するおすすめの本を7冊取り上げ、内容や難易度、向いている読者を比較します。本人との関係についても、確認できる推薦の事実と、投資思想を学ぶために紹介する理由を区別して整理します。

「投資初心者なので、まず基本を学びたい」「企業を見る目を養いたい」「バフェット本人の考えを読みたい」など、自分の目的に合う一冊を選ぶ参考にしてください。

ウォーレン・バフェットのおすすめ本7選|一覧で比較

ウォーレン・バフェットは何を読んだ?投資と経営を学ぶおすすめの7冊紹介記事のイメージ画像

まずは、7冊のテーマと選び方を一覧で確認しましょう。難易度は本の内容から見た目安であり、あなたの知識や読書経験によって感じ方は異なります。▼

書籍 主なテーマ 難易度の目安 向いている人 バフェットとの関係
『賢明なる投資家』 投資の原則・価格と価値 中程度 投資の基本的な考え方を学びたい人 師であるベンジャミン・グレアムの代表作
『株式投資で普通でない利益を得る』 企業の質・成長性 中程度 企業の競争力や経営者に注目したい人 フィリップ・フィッシャーの投資思想を知る手がかり
『証券分析』 企業・証券の分析 高め 財務分析を深く学びたい人 グレアムの投資理論を掘り下げる本
『ビジネス・アドベンチャーズ』 企業の成功と失敗 比較的読み進めやすい 実際の企業事例から経営を学びたい人 バフェットがビル・ゲイツに推薦した本
『Poor Charlie's Almanack』 思考法・意思決定 中〜高め マンガーの思考法を知りたい人 長年のパートナー、チャーリー・マンガーの考えを学ぶ本
『SHOE DOG』 起業・企業経営 比較的読み進めやすい 起業家の経験や会社の成長に興味がある人 バフェット本人による推薦・評価の根拠は、掲載前に要確認
『バフェットからの手紙』 投資・経営・資本配分 中程度 バフェット本人の考えを文章で読みたい人 バークシャー・ハサウェイの株主向け書簡などを通して考えを学ぶ本

7冊は、バフェットとの関係だけでなく、扱うテーマにも違いがあります。投資理論を学ぶ本もあれば、企業の歴史や起業家の経験から経営を考える本もあるからです。

ちなみに投資の基本を学びたいなら『賢明なる投資家』、企業分析を深めたいなら『証券分析』、企業経営の実例から学びたいなら『ビジネス・アドベンチャーズ』が候補になります。
自分が知りたいことに合わせて選べるよう、それぞれの特徴を見ていきましょう。

※ここで紹介する7冊すべてを「バフェット本人が推薦した本」として扱うわけではありません。本人との関係が確認できる本と、バフェットの投資・経営の考え方を理解するために選んだ本を区別して紹介します。

1.『賢明なる投資家』|バフェットの投資思想を理解する入口

『賢明なる投資家- 割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法 』
ベンジャミン・グレアム著

ウォーレン・バフェットの投資について調べるなら、まず名前が挙がるのがベンジャミン・グレアムです。グレアムの『賢明なる投資家』をバフェットが19歳で読み、自身の投資の枠組みを得たと語った一冊。

バフェットはコロンビア大学でグレアムに学び、その後、グレアムの投資会社で働いています。

グレアムは、バフェットの投資思想を理解するうえで欠かせない人物です。そのグレアムの代表的な著書である『賢明なる投資家』は、バフェットが19歳で読み「自身の投資の枠組みを得た」と語った逸話のあるように、投資をどのように学び始めたのかを知るための重要な一冊なんです。

バフェットが学んだ「価格」と「価値」の違い

『賢明なる投資家』を理解するうえで重要なのが、「株価」と「企業の価値」を同じものとして考えないという発想。

株式市場では、企業の実態だけでなく、投資家の期待や不安によって株価が大きく動くことがあります。
グレアムは、そうした市場の変動に振り回されるのではなく、企業の価値を考えたうえで投資判断をすることの重要性を説きました。株価が動いているという事実だけで売買を決めず、価格と価値を分けて考える姿勢が、この本を読むうえでのポイントです。

ただし、注意したい点もあります。現在のバフェットの投資方法を、そのままグレアムの投資法と同一視しないことです。

バフェットの投資哲学は、グレアムから学んだ考え方を出発点としながら、フィリップ・フィッシャーやチャーリー・マンガーなどからの影響も受けて変化していきました。その意味では、『賢明なる投資家』は、バフェットの投資思想の源流を知るための本として読むと位置づけが分かりやすくなります。

初心者が読むなら、どこに注目すればいい?

投資初心者が『賢明なる投資家』を読む場合、最初からすべてを理解しようとする必要はありません。

まず注目したいのは、株価が下がったときにどう考えるのか、企業の価値をどのように見るのか、そして市場の動きと自分の判断をどう切り離すのかという部分です。

「何を買えば儲かるのか」という答えを探すより、投資するときの考え方そのものを学ぶ本として読むと、この本の特徴が見えやすくなります。

また、後に紹介するフィリップ・フィッシャーの『株式投資で普通でない利益を得る』と読み比べると、企業の価値を重視する考え方と、企業の成長力や経営の質に注目する考え方の違いを捉えやすくなります。
『証券分析』もグレアムの著書ですが、こちらはより専門的な内容を扱うため、初心者は本書から読み始めるとよいでしょう。

こんな人に向いている

本書は、投資で成功する方法を保証するものではありません。バフェットの投資思想がどこから始まったのかを知り、株価や市場の動きに向き合う考え方を学ぶための一冊です。

▼Audibleでいつでも聞ける▼
≫ 賢明なる投資家

2.『株式投資で普通でない利益を得る』|企業の「質」に目を向ける

『株式投資で普通でない利益を得る』
フィリップ・A・フィッシャー著

『賢明なる投資家』でベンジャミン・グレアムの考え方を見てきましたが、ウォーレン・バフェットの投資思想は、グレアムだけから形づくられたわけではありません。その変化を考えるうえで重要な人物の一人が、フィリップ・フィッシャーです。

フィッシャーは、企業の財務内容だけでなく、その企業がどのような事業を行い、将来どのように成長する可能性があるのかという点にも目を向けました。事実、バフェットがフィッシャーから影響を受けたと述べており、本書を高く評価しているため、バフェットの投資思想を理解するうえでこちらも重要な一冊です。

「安い会社」だけではなく「優れた会社」を見る

グレアムの投資哲学を学んだ若い頃のバフェットは、企業の価値に対して株価が割安になっている銘柄を探すことを重視していました。その後の投資を理解するには、価格の割安さだけでなく、企業そのものの競争力や成長性にも目を向ける必要があります。

『株式投資で普通でない利益を得る』では、企業の経営者や競争力、成長性など、財務数字だけでは捉えにくい企業の質についても考えます。

つまり、「いくらで買えるか」だけでなく、「そもそも、どんな会社なのか」という視点です。

グレアムの投資哲学を知ることで、企業の株価が割安かどうかだけでなく、長期的に事業を成長させる力があるのかという問いも、投資判断の一部として考えられます。

バフェットの投資思想を知るうえで、なぜ重要なのか

バフェットの投資思想には、グレアムから学んだ考え方に加えて、フィッシャーやチャーリー・マンガーなどからの影響もあります。企業評価の変化を理解するうえで、フィッシャーの考え方は重要な手がかりになります。
ただし、バフェットの現在の投資哲学は、フィッシャー一人の影響だけで説明できるものではありません。グレアムの割安性を重視する考え方に、フィッシャーの「優れた企業を見る視点」、そしてチャーリー・マンガーとの議論や自身の経験が加わって形成されているからです。

以前のバフェットは、企業の価値に対して十分に安い価格で株式を買うというグレアム流の考え方を強く重視していました。考え方を学んだ後、価格の割安さだけでなく、長期的に高い収益力を持つ優れた企業を見極めることにも重きを置くようになったと説明されます。

もちろん、バフェットの投資哲学をフィッシャー一人の影響だけで説明することはできません。グレアム、フィッシャー、マンガー、そしてバフェット自身の経験など、複数の要素が重なって現在の考え方につながっています。

本書の役割は、バフェットがどのような企業を評価しようとしてきたのか、その考え方の一端を知ることにあります。

初心者が読むなら、企業を見る視点に注目

投資初心者がこの本を読む場合、個別銘柄の選び方をそのまま真似しようとするより、企業を見るための視点に注目すると理解しやすいでしょう。

基準となる視点を持った問いを立てることで、株価の数字だけを見るのとは違った企業の見方ができます。この視点は投資に限らず、企業を調べる仕事や経営を考える際にも応用できるでしょう。

『賢明なる投資家』と合わせて読むと分かりやすい

2冊の違いを簡単に整理すると、グレアムの本では「価格と価値をどう考えるか」、フィッシャーの本では「企業の質や成長性をどう見るか」が主な読みどころになります。

本 見るポイント
『賢明なる投資家』 企業価値と株価、市場との向き合い方
『株式投資で普通でない利益を得る』 企業の質、経営者、成長性

紹介した2冊を読み比べると、投資を「安い株を探すこと」だけで捉えず、企業そのものを理解し、その価値を考える作業として見るきっかけになります。

▼Audibleでどこでも聞ける▼
≫ 株式投資で普通でない利益を得る

3.『証券分析』|企業価値を分析する専門書

『証券分析』
ベンジャミン・グレアム、デビッド・L・ドッド著

バフェットの読書を調べていると、『賢明なる投資家』と並んで名前が挙がるのが『証券分析』です。どちらもグレアムに関係する本ですが、扱う内容や読み手に求められる知識は異なります。

『賢明なる投資家』が一般の投資家にも投資の考え方を伝えることを重視しているのに対し、『証券分析』は、企業の財務内容や証券の価値を分析するための、より専門的な内容を扱っています。
本書は投資初心者が最初に読む本というより、バフェットの投資思想の源流をさらに深く知りたい人に向いた一冊です。

バフェットの投資の原点にあるグレアム

ウォーレン・バフェットは、コロンビア大学でベンジャミン・グレアムから学びました。その後、グレアムの投資会社で働いたことも知られています。

グレアムは、バフェットに投資を教えた直接的な師の一人。『証券分析』を読む意義は、バフェットが学んだ投資理論の背景を知ることにあります。

本書では、企業の財務内容や証券の価値を分析し、投資判断を行うための考え方が詳しく扱われています。
刊行当時と現在では市場環境や会計制度などに違いがあるため、記述をそのまま現代の投資判断に当てはめるのではなく、企業価値を分析するための基本的な考え方を学ぶ本として読むのが適切でしょう。

市場価格と企業価値を区別して考える

株式投資を始めると、どうしても株価の上昇や下落に目が向きます。しかし、企業の価値を考える際には、日々の市場価格だけでなく、事業の内容や財務状況なども確認する必要があります。

『証券分析』の読みどころは、価格の動きだけに頼らず、証券や企業を分析して投資判断を組み立てようとする姿勢にあります。

バフェットの投資について語ると、「長期保有」「複利」「優良企業」といった言葉がよく登場します。そうした言葉だけを覚えるのではなく、企業そのものの価値を考えたうえで株式を所有するという発想を理解することが重要です。

初心者には少し重い。それでも読む価値はある?

正直に言えば、『証券分析』は投資初心者が最初に読む本としては、かなりハードルがあります。内容が専門的なため、「バフェットの本を1冊だけ読んでみたい」という人が、最初から本書を選ぶ必要はありません。

まず『賢明なる投資家』などで基本的な考え方に触れ、企業分析をさらに深く学びたいと感じた段階で手に取ると、読む目的を持ちやすくなるはずです。

バフェットと関係が深い本だからといって、すべての人が同じ順番で読む必要はありません。難易度や自分の関心に合わせて選ぶことが大切ですよ。

『賢明なる投資家』との違い

本 記事での役割
『賢明なる投資家』 バフェットの投資思想を知る入口
『証券分析』 企業・証券分析の考え方を深く学ぶ

書籍ごとに役割を分ければ、グレアム関連の2冊を紹介しても、単なる重複にはなりません。前者で投資思想の入口をつかみ、後者で分析の専門的な考え方を掘り下げる構成になると判断しました。

▼kindleでどこでも読める▼
≫ 証券分析

4.『ビジネス・アドベンチャーズ』|バフェットが推薦した企業の物語

『ビジネス・アドベンチャーズ』
ジョン・ブルックス著

紹介してきた3冊までは、投資の考え方や企業分析を学ぶための本でした。一方、ウォーレン・バフェットの読書を調べると、投資理論を体系的に解説するものとは違う本も見つかります。

その一冊が、ジョン・ブルックスの『ビジネスの失敗学 ビジネス・アドベンチャーズ』です。

本書は、企業経営や株式投資の方法を体系的に解説する本ではありません。さまざまな企業で実際に起きた出来事を題材に、経営者や組織、市場、そして企業が判断を誤るときに何が起こるのかを描いています。

投資の理論ではなく、企業で実際に起きた出来事から経営を考える本という点が、この本の特徴です。

バフェットがビル・ゲイツに薦めた本

『ビジネス・アドベンチャーズ』がバフェットの読書を考えるうえで興味深いのは、ビル・ゲイツとの関係です。
ビル・ゲイツは、1991年にバフェットへ「ビジネスに関する好きな本」を尋ねました。バフェットは『ビジネス・アドベンチャーズ』を挙げ、自身の本をゲイツに送ると答えています。ゲイツはその後、本書を自身にとって最高のビジネス書の一つと評価しています。

ゲイツのエピソードのような、バフェット本人が読んだとされる本だけでなく、他者に薦めた本も、彼がどのような本に価値を見いだしていたのかを知る手がかりになります。

『ビジネス・アドベンチャーズ』は、バフェットと本の関係を考えるうえで、推薦という具体的な接点がある一冊です。「ウォーレン・バフェットの本でおすすめは何?」の目的で訪れたあなたにとっても、投資理論の本とは異なる、良い選択肢になるでしょう。

なぜ投資家が企業の失敗を読むのか

投資を考えるとき、成功した企業に目が向きがちです。しかし、企業がどのような判断をして失敗したのかを見ることにも意味があります。

本書では、さまざまな企業の出来事を通じて、経営判断や組織の問題、市場の変化などが描かれます。そこから見えてくるのは、企業の業績を数字だけで判断することの難しさです。

同じような製品や市場であっても、経営者の判断や組織の文化によって結果が変わることがあります。企業を評価するときには、財務数字だけでなく、その会社で何が起き、誰がどのように判断したのかにも目を向ける必要があります。

もちろん、本書の内容すべてをバフェットの投資哲学として読む必要はありません。企業の歴史を読むことで、投資家が決算数字の向こう側にある「会社」をどう見るのかを考えるきっかけになる本、と捉えるのが適切です。

投資初心者にも読みやすい理由

『賢明なる投資家』や『証券分析』は、投資について体系的に学ぶうえで重要な本ですが、専門用語や分析に慣れていない人には難しく感じられる場合があります。
『ビジネス・アドベンチャーズ』は企業で起きた出来事を追いながら読み進められるため、投資経験がない人でも入りやすいタイプの本です。

「投資の勉強をしなければ」と構えずに、企業の成功や失敗の物語として読むことができます。そして読み進めるうちに、「この会社の経営者は、なぜこの判断をしたのだろう?」という視点が生まれてきます。

投資だけでなく、経営やマネジメントに関心がある人にも、企業を見る視点を広げる一冊として読める内容です。

こんな人に向いている

今回の7冊の中では、投資理論から少し離れて企業の現実を知るための一冊です。バフェットの読書を投資テクニックだけに限定せず、経営への関心まで広げて考えるために取り上げました。

▼書籍を手に取り学べる喜びを▼
≫ ビジネス・アドベンチャーズ

5.『Poor Charlie's Almanack』|チャーリー・マンガーの思考法を知る

『Poor Charlie's Almanack( 邦題:チャールズ・T・マンガーの金言 )』
ピーター・D・カウフマン編

ウォーレン・バフェットの投資人生を語るとき、欠かせない人物こそがチャーリー・マンガーその人。

どれくらいマンガーの言葉を大切にしているか?バフェット自身、2010年の株主への手紙で本書を「Just buy a copy and carry it around; it will make you look urbane and erudite(コピーを買って持ち歩きなさい。都会的で博識に見えるだろう)」 と、読者に勧めていますから。

マンガーはバフェットの長年のビジネスパートナーであり、バークシャー・ハサウェイの経営を考えるうえでも重要な人物でした。バフェットの考え方を理解するには、マンガーがどのように物事を考えていたのかを見ることも役立ちます。

バフェットとマンガーの関係を知る本

バフェットとマンガーは長年にわたって協力してきましたが、二人の考え方が完全に同じだったわけではありません。

マンガーは、複数の分野から基本的な考え方を取り入れ、それらを組み合わせて判断する「メンタルモデル」と呼ばれる考え方でも知られています。

『Poor Charlie's Almanack』には、マンガーの講演や考え方などがまとめられています。本書は、バフェット本人の著書や推薦書とは異なる位置づけです。マンガーの思考法を通じて、バフェットの投資思想を別の角度から理解するための一冊として紹介します。

投資の知識より「考え方」を学ぶ

『Poor Charlie's Almanack』の読みどころは、個別の銘柄を選ぶ方法を学ぶことだけではありません。

こうした、物事を判断するための考え方に触れられるところが、本書の特徴です。

バフェットは、自分が理解できる事業に投資する姿勢を重視してきました。決め事を実践するには、企業や市場を知るだけでなく、自分の知識や判断の限界を理解することも重要になります。

バフェットとマンガーの違いを見る面白さ

バフェットとマンガーは長年のパートナーでしたが、二人の言葉を並べてみると、同じ結論に至るまでの考え方には違いもあります。

マンガーは心理学や経済学など、幅広い分野の考え方を判断に取り入れることで知られています。バフェットの読書を投資関連の本だけに限定せず、思考法や人間心理にも視野を広げると、二人の関係をより多角的に捉えられます。

バフェットを理解するために、長年のパートナーであるマンガーの考え方を知る。それが本書を読む一つの意義といえます。

ビジネスパーソンにも応用できる読み方

『Poor Charlie's Almanack』は、投資家だけを対象にした本ではありません。

仕事で一つの専門知識だけに頼って判断してしまうことはないでしょうか。営業なら営業の経験だけ、マーケティングならマーケティングの知識だけ、経営なら経営理論だけで問題を考えてしまうことがあります。

しかし、現実の問題は一つの専門分野だけでは説明できないことも少なくありません。人間心理、経済、組織、技術、歴史など、異なる分野の知識を組み合わせることで、別の見方が生まれることがあります。

投資の知識を増やすためだけでなく、自分の判断の癖を見直し、複数の視点から問題を考えるための本として読むこともできるでしょう。

こんな人に向いている

今回の7冊の中では、投資対象の見方から一歩離れて、判断する人間の思考そのものに目を向ける一冊です。

▼kindleで繰り返し目にする▼
≫ Poor Charlie's Almanack

ここまでの5冊で見えてくる、バフェットの読書の広がり

ウォーレン・バフェットは何を読んだ?投資と経営を学ぶおすすめの7冊紹介記事のイメージ画像

ここまでの5冊は、扱うテーマを次のように整理できます▼

本 主なテーマ 記事内での役割
『賢明なる投資家』 価値投資・投資家心理 投資思想の入口
『株式投資で普通でない利益を得る』 企業の質・成長性 優れた企業を見る視点
『証券分析』 企業価値・財務分析 専門的な分析の考え方
『ビジネス・アドベンチャーズ』 企業・経営・ビジネス 企業で起きた出来事から学ぶ
『Poor Charlie's Almanack』 思考法・意思決定 判断の視点を広げる

最初の3冊までは投資理論や企業分析といった「投資とは何を見るのか」という話が中心でした。
4冊目では企業の実例、5冊目では人間の思考へと視野が広がります。バフェットの読書を、投資の知識を増やすことだけでなく、企業や人間を理解するための読書として見ることができるでしょう。

続く2冊では、起業家の回想録とバフェット自身の言葉を取り上げます。企業をつくる側の経験と、バフェット本人の考えを通して、投資と経営というテーマを締めくくります。

6.『SHOE DOG』|バフェットが評価した起業家の物語

『SHOE DOG』
フィル・ナイト著

『SHOE DOG』は、ナイキの創業者フィル・ナイトが、自身の起業から会社の成長までを振り返った回想録です。投資理論を解説する本でも、企業分析の教科書でもありません。

本書を取り上げる理由は、バフェットとの関係に加えて、企業をつくり上げた人物の経験から経営を考えられる点にあります。

バフェットは、2016年の株主への手紙で、2015年に読んだ本として『SHOE DOG』を取り上げ、高く評価しています。投資理論を解説する本ではないものの、創業者が事業をどう育てたかを知るうえで価値のある一冊として紹介しました。

投資家が「会社の物語」を読む意味

株式投資では、決算書や財務指標を見ることが重要です。ただし、数字だけでは、その会社を動かしている人間や企業文化までは分かりません。

『SHOE DOG』では、ナイキが現在のような大企業になるまでの過程が、創業者自身の視点から描かれています。資金繰りに苦しんだ時期、事業を拡大するための判断、銀行との関係、競争相手との戦いなど、企業経営の現実が具体的に語られます。

一つの企業がどのように生まれ、成長していくのかを知る本として読むと、単なる成功物語とは違う面白さがあります。企業を長期的に見る投資家にとっても、経営者の判断や事業の変化を考える材料になるでしょう。

初心者にも読みやすい「バフェット関連本」の候補

今回の7冊には、投資理論を扱った専門的な本も含まれています。そのため、投資を始めたばかりの人にとっては、少し難しく感じる本もあるでしょう。

本書の『SHOE DOG』は企業経営をめぐる物語として読めるため、投資の専門知識がなくても入りやすい一冊です。

「バフェットに関係する本を読んでみたいけれど、難しい投資理論は苦手」という人なら、こうした経営者の回想録から入る方法もあります。企業を見ることは、数字だけを見ることではないという視点に触れられるのも、本書の魅力です。

こんな人に向いている

▼Kindleでいつでも読み返せる▼
≫ SHOE DOG

7.『バフェットからの手紙』|本人の言葉から投資と経営を考える

『バフェットからの手紙』
ウォーレン・バフェット著、ローレンス・A・カニンガム編

ここまでの6冊は、バフェットの投資思想に影響を与えた人物の著書や、彼が評価・推薦した本などを取り上げてきました。
最後に紹介する『バフェットからの手紙』は、バフェットがバークシャー・ハサウェイの株主に向けて書いてきた手紙をもとに、投資、経営、企業価値、資本配分などのテーマ別に編集された本です。バフェット自身の言葉を読みながら、その考え方の全体像を把握できます。

本書をあえて最後に置くことで、他の著者の本を通して見てきた投資や経営のテーマを、バフェット自身の言葉で振り返る構成にしました。彼の考えを理解しやすいと判断した展開を取っています。

バフェットの投資哲学を「名言」だけで終わらせない

バフェットについて検索すると、「名言」や「投資哲学」といった情報が数多く見つかります。短い言葉には分かりやすさがありますが、一つの文章だけを切り取ると、なぜその考え方に至ったのか、どのような企業経営を前提としているのかが分かりにくい場合もあります。

『バフェットからの手紙』の読みどころは、断片的な名言ではなく、企業や株主、経営者、資本配分についての考え方を文章の流れの中で読めるところにあります。

投資について学びたい人だけでなく、会社経営やマネジメントに関心がある人にとっても、考える材料になるでしょう。

「投資家」だけでなく「経営者」として読む

バフェットというと、株式投資の世界で知られる人物という印象が強いかもしれません。しかし、バークシャー・ハサウェイを長期間にわたって経営してきた人物でもあります。

そのため、『バフェットからの手紙』は、株を買うための知識だけに限定せず、経営者の視点から読むこともできます。

いくつもの問いを通して、投資と経営がどのようにつながっているのかを考えられることが、本書を今回の7冊に加えた理由です。

▼Kindleで賢人の示唆を学ぶ▼
≫ バフェットからの手紙

バフェットの本はどれから読む?目的別の選び方

ウォーレン・バフェットは何を読んだ?投資と経営を学ぶおすすめの7冊紹介記事のイメージ画像

7冊の主なテーマと、記事内での役割を整理します▼

本 主なテーマ 記事内での役割
『賢明なる投資家』 価値投資・投資家心理 投資思想の入口
『株式投資で普通でない利益を得る』 企業の質・成長性 優れた企業を見る視点
『証券分析』 企業価値・財務分析 専門的な分析の考え方
『ビジネス・アドベンチャーズ』 企業・経営・ビジネス 企業の実例から学ぶ
『Poor Charlie's Almanack』 思考法・意思決定 判断の視点を広げる
『SHOE DOG』 起業・経営 企業をつくる側の経験を知る
『バフェットからの手紙』 投資・経営 バフェット本人の言葉を読む

7冊を並べてみると、投資理論を学ぶ本だけでなく、企業の歴史や起業家の経験、意思決定の考え方を扱う本も含まれていることが分かります。

バフェットの読書から見えてくるのは、株を買う技術だけではなく、「企業をどう見るか」「人はどう判断するか」という幅広い問題です。

本を読めば、バフェットのような投資ができるのか

バフェットが読んだ本を紹介すると、「この本を読めばバフェットのような投資ができる」という印象になりがちです。しかし、本を一冊読んだからといって、投資判断に必要なすべてを身につけられるわけではありません。

投資判断には、企業の財務状況、事業内容、競争環境、経営者、価格など、さまざまな要素が関係します。

※今回の7冊は、特定の銘柄の購入を勧めたり、投資で利益を得られると保証したりするためのものではありません。企業や市場を見るための考え方を学ぶ読書案内として紹介しています。

7冊を読むなら、どの本から始めればいい?

7冊すべてを最初から読む必要はありません。自分が何を知りたいのかによって、入り口を変えると読みやすくなります。

投資理論から学びたい人はグレアムやフィッシャーの著書から、企業経営の物語に興味がある人は『ビジネス・アドベンチャーズ』や『SHOE DOG』から始める方法もあります。

特に投資初心者の場合、難しい専門書から無理に読み始める必要はありません。まずは興味を持てる一冊を選び、必要に応じて別の本へ進むとよいでしょう。

おすすめした本が読めない忙しい人には「聴く読書」という選択肢もある

ウォーレン・バフェットは何を読んだ?投資と経営を学ぶおすすめの7冊紹介記事のイメージ画像

読んでみたい本が見つかっても、仕事や家庭の都合で読書の時間を確保しにくい人もいるでしょう。そんなときに選択肢になるのが、オーディオブックです。

通勤や移動中、散歩をしている時間など、紙の本を開きにくい時間にも本の内容に触れられます。

ただし、財務分析や投資理論のように、図表を確認したり、前のページに戻ったりしながら読んだほうが理解しやすい本もあります。なのでオーディオブック化されたすべての本を音声で聴く必要はありません。

企業経営や起業家の物語など、まず内容に触れてみたい本から音声で聴き、詳しく知りたくなった部分を紙の本や電子書籍で読み返す方法もあります。

読書のための時間を新しく作るだけでなく、すでにある移動時間や隙間時間を活用する。これも、読書を続けるための一つの方法です。

今回紹介した本の中から気になるタイトルがあれば、オーディオブックで配信されているか確認してみるのもよいでしょう。当記事公開時点ではオーディオブック化されていなくても、あとから作品化されることはよくある話ですから。

気になった本を、まず「聴いてみる」

通勤や移動中など、手が空かない時間を読書に変える方法もあります。気になるタイトルの配信状況を確認してみてください▼
≫ Audibleの公式サイトで対象作品を確認する

※オーディオブックの配信状況や価格、無料体験などの条件は変更される場合があります。リンク先の最新情報をご確認ください。

バフェットのおすすめ本についてよくある質問

ウォーレン・バフェットは何を読んだ?投資と経営を学ぶおすすめの7冊紹介記事のイメージ画像

ウォーレン・バフェットが読んだ本で、特に有名なのは?

バフェットの投資思想を知る本としてよく取り上げられるのが、ベンジャミン・グレアムの『賢明なる投資家』です。また、フィリップ・フィッシャーの『株式投資で普通でない利益を得る』や、グレアムとデビッド・L・ドッドによる『証券分析』も、投資思想の背景を理解するうえで重要な本です。

>今回の記事では、投資理論の本に加えて、企業経営の実例や起業家の経験、チャーリー・マンガーの思考法を扱う本も紹介しています。

ウォーレン・バフェットは本をたくさん読むの?

バフェットは、読書を重視する人物として広く知られています。ただし、読書量に関する数字だけを目標にする必要はありません。

今回紹介した7冊からも、投資理論だけでなく、企業経営や意思決定、起業家の経験など、さまざまなテーマに目を向ける読み方が見えてきます。大切なのは冊数を競うことよりも、本から得た考え方を自分の判断につなげることです。

本を読めばバフェットのような投資スタイルができる?

本を読んだだけで、投資判断ができるようになるわけではありません。株式投資では、企業の業績や財務状況、市場環境、株価など、さまざまな情報を確認する必要があります。

今回紹介した本も、「読めば儲かる本」という位置づけではありません。企業をどう見るか、価値をどう考えるか、長期的に判断するとはどういうことかを考えるための読書として捉えるのが適切です。

投資について学ぶ場合も、本だけに頼るのではなく、自分で情報を確認しながら知識を積み重ねていくことが大切です。一般論ですけど、投資は自己責任の世界のため、学び続けることこそ王道といえます。

投資初心者におすすめなのはどの本?

投資の基本的な考え方を知りたいなら『賢明なる投資家』、企業を見る視点を深めたいなら『株式投資で普通でない利益を得る』が候補になります。一方、投資理論から入るのが難しいと感じるなら、『ビジネス・アドベンチャーズ』や『SHOE DOG』のような企業や経営者を描いた本から始める方法もあります。

「バフェットが読んだ本だから、最初から全部読まなければならない」ということではありません。自分が興味を持てる一冊から始めるほうが、読書を続けやすいでしょう。

バフェットの「おすすめ本」と「バフェットが読んだ本」は同じ?

必ずしも同じではありません。バフェット本人が読んだことを確認できる本、本人が推薦した本、そしてバフェットの投資思想を理解するうえで重要な本は、それぞれ意味が異なります。

そのため、記事ではこれらを一括りにせず、各書籍とバフェットとの関係が分かるように紹介することが大切です。読者が「本人が推薦した本なのか」「投資思想を理解するために選ばれた本なのか」を区別できれば、記事の信頼性も高めやすくなります。

まとめ|ウォーレン・バフェットのおすすめ本7選を考える

ウォーレン・バフェットは何を読んだ?投資と経営を学ぶおすすめの7冊紹介記事のイメージ画像

ウォーレン・バフェットに関係する本をたどると、投資理論だけでなく、企業経営や起業家の経験、意思決定の考え方など、幅広いテーマに触れられます。

今回紹介した7冊は、次の通り▼

  1. 『賢明なる投資家』
  2. 『株式投資で普通でない利益を得る』
  3. 『証券分析』
  4. 『ビジネス・アドベンチャーズ』
  5. 『Poor Charlie's Almanack』
  6. 『SHOE DOG』
  7. 『バフェットからの手紙』

投資の原則を学ぶ本、企業を分析する本、経営者や企業の物語から考える本、そしてバフェット自身の言葉を読む本。ジャンルは違っていても、企業や経営、人間の判断について考える材料が含まれています。

「ウォーレン・バフェットに関する本でおすすめは何なの?」という疑問から当記事を訪れたあなたへ。根拠のない単なるランキング記事としてではなく、バフェットと各書籍との関係や、それぞれの本から何を考えられるのかという視点で選んでほしいと願っています。

7冊すべてを読む必要はありません。投資の基本を知りたいなら投資関連の本から、経営に関心があるなら企業や起業家の物語から、自分の目的に合う一冊を選んでみてください。

読む時間が取りにくければ、オーディオブックで聴いてみる方法もあります。

バフェットの読書を知る面白さは、誰かの成功法をそのまま真似することではなく、自分自身のものの見方をつくるきっかけを得ることにあるのではないでしょうか。

バフェットに関係する一冊が、投資だけでなく、仕事や経営について考える新しい入口になるかもしれません。